
リビルドワールドII〈上〉 旧領域接続者 (電撃の新文芸)
ナフセ, わいっしゅ, 吟, and cell
KADOKAWA / 2019-11-16
この本について
最近、頑張っているはずなのに、自分の基準がどんどん狂っていく感覚がありませんか。前よりできているのに焦る、余裕がないのに前に進むしかない。そういう時って「どこで立ち止まって考えればいいのか」が分からなくなるんですよね。 『リビルドワールドII〈上〉』の抜粋を読んでいると、まさにその迷いに近い感覚が描かれています。アキラの危機感覚が壊れていく場面や、実力と扱われ方のズレに対する周囲の畏怖。あるいは、カツヤが「一度認められたい」という気持ちに引っ張られて無茶な方向へ傾いてしまうところ。極限の世界の話ではあるけれど、自分のペースや基準を見失うと人はこうなるんだという実感を、フィクションの距離感で受け取れるのがこの巻の良さだと思っています。 もう一つ効いてくるのは、「自分で決めた強さ」と「他者に決められる役割」の緊張感です。ナノマシンの契約で命を握られる可能性を冷静に考えるシーンや、職員がアキラに感じる“薄気味悪さ”。自分の力が上がるほど周囲との関係が変わり、その結果、判断に迷いが生まれる。このリアルさは、仕事でも人間関係でも経験がある人ほど響く気がします。強くなるとは、単純にプラスで積み上がる話じゃないんですよね。 なのでこの巻は、「頑張り続けているうちに、どこかズレてきている気がしている人」に刺さると思います。世界観はハードですが、読んでいくと、自分がいま抱えている負荷や判断基準の揺れを客観視するきっかけにもなるはずです。フィクションだからこそ、少し距離を置いて現実の自分を振り返れるタイプの物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
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