
戦後思想の到達点 柄谷行人、自身を語る 見田宗介、自身を語る シリーズ・戦後思想のエッセンス
柄谷 行人, 見田 宗介, and 大澤 真幸
この本について
仕事をしていると、資本主義のルールに従って動くしかない一方で、「本当に人と人ってこういう関係でよかったんだっけ」とふと立ち止まる瞬間があります。効率とか再現性ばかりを求められる毎日のなかで、そもそもの前提そのものが自分の自由や他者との距離感を狭めている気がする。でも、じゃあ何を拠りどころにすればいいのかはよくわからない。そのあたりでモヤモヤしている人には、この本はけっこう効きます。 読んでまず感じるのは、「交換」という、ごく当たり前すぎて忘れがちな行為を軸に社会を見直すと、自分が置かれている世界の構造がまったく違う姿で現れてくるということです。貨幣で動く関係は自然なものじゃなく、歴史的に形成された仕組みにすぎないとか、互酬性がいったん壊されても別の次元で回復しうる可能性があるとか、そういう視点を得るだけで、今の社会を受け止める姿勢が少し変わります。また、この本の面白いところは、自我や他者との関係まで交換様式とつながって語られる点で、「意味に囚われることで自由を失う」という感覚を自分の経験と重ねやすいところです。ソクラテスの話も、知っているはずの題材がまったく違う角度から迫ってくる感じがありました。 戦後思想というと身構えそうですが、読後に残るのは「社会は一つの論理で割り切れない」ことへの静かな納得と、「じゃあ自分はどんな関係性を選び取りたいのか」という問いです。構造の大きさに疲れている人、他者との距離感にいつも揺れている人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
読書の順序
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