
だれもわかってくれない 傷つかないための心理学 (ハヤカワ文庫NF)
ハイディ グラント ハルヴァーソン and 高橋 由紀子
この本について
人と話していて、「こんなつもりじゃなかったのに伝わらない」とか、「相手の反応が読めなくて距離ができる」といったモヤモヤ、けっこうありますよね。自分では表情で伝えているつもりでも、相手にはまったく別の顔に見えていたり、人は自分と同じように感じているはずだと無意識に思い込んでいたり。日常の小さな誤差が積み重なって、関係が固くなることが多いんだと思います。 この本が面白いのは、その誤差を「人が世界を見るときのレンズ」として説明してくれるところです。たとえば、相手がどうして距離を取りたがるのかを、性格ではなく“経験してきた環境”から読み解く視点。人に頼れなかった人は、頼り方自体がわからないから近づけない、という説明は妙に腑に落ちました。あるいは、人は自分をどう見てほしいかという期待を強く抱えていて、それに沿わない情報は受け取りたくないという話。これを知っているだけで、相手がなぜ納得しないのかが少しだけ読みやすくなります。 さらに、相手に評価してもらうためには、理解しようとする相手の“努力”に報いる必要がある、という考え方も印象的でした。たとえば、ただ丁寧に説明するだけではなく、こちらも相手に依存するポイントをつくることで関係が動き出す、という具体的な話が多いので、実生活に落とし込みやすいです。 他人の考えがよく分からないまま悩みがちな人や、「自分の伝え方がズレている気がする」と感じている人に刺さる一冊だと思います。
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