
謙虚なリーダーシップ――1人のリーダーに依存しない組織をつくる
エドガー・H・シャイン, ピーター・A・シャイン, and 野津智子
英治出版 / 2020-04-22
この本について
チームで動いているはずなのに、いつの間にか「自分がなんとかしなきゃ」に追い込まれてしまう時があります。立場が上がるほど相談しづらくなったり、部署ごとの価値観が噛み合わずに前に進まなかったり。そのたびに、リーダーって結局“強い誰か”が引っ張るしかないのか…とモヤモヤしていました。 この本がよかったのは、「リーダー一人の力量」で押し切る発想からいったん降ろしてくれるところです。たとえば、うまくいく改革の裏側には、医師と経営側のように立場の違う人たちが率直に話せる関係をつくり直すプロセスが欠かせないこと。あるいは、どんな立派なモデルも、グループの価値観や文化に根ざした“合意のつくり方”が整っていないと動かないこと。読んでいると、組織の問題は「解決策がない」のではなく、「一緒に考えられる関係がない」ことが詰まりの正体だったのかもしれないと思わされます。 もう一つ刺さったのは、リーダーシップを“個人の才覚”ではなく、“関係をつくるスキル”として捉え直している点です。観察して対話し、必要な時にだけ前に出て、また身を引く。トップダウンでも放任でもなく、学習できる環境そのものを整える役割。これは立場に関係なく、どの層にも求められる姿だと感じました。 「強いリーダー像に違和感がある人」にほど、静かに効く本です。自分が全部背負う形ではなく、グループの力で前に進めるようになりたい時に手元に置いておきたくなります。
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