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アパレル興亡

アパレル興亡

黒木 亮

岩波書店 / 2020-02-18

累計読者数5
平均ハイライト数 34.4件/人
推定読了時間 約7時間5分
star総合評価 80/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 76%

この本について

仕事でも日常でも、「気づいたら大きな流れに巻き込まれていた」みたいな無力感ってけっこうありませんか。自分の判断が正しかったのか、そもそも何を見ておけば良かったのかさえ分からなくなるあの感じです。アパレル業界の興亡なんて、自分とは遠い話に思えるかもしれませんが、この本を読むと“構造に気づけなかったときの怖さ”がやけに身近に感じられます。 たとえば読者が保存した抜粋には、尾州の工場が毎年一割ずつ減っていく現場の空気や、レナウンが中国企業に買収されるまでの迷走、百貨店のじり貧が静かに全体を侵食していく様子など、表からは見えにくい現場の変化が詰まっています。私が読んで刺さったのは、企業の衰退って「ある日突然」ではなく、小さな判断の積み重ねの末にじわじわ形が決まっていくということでした。そこには大きなスローガンよりも、営業マンの一言や、工場の機械を増設するかどうかの逡巡みたいな、肌感のある意思決定が詰まっています。 だからこそ、この本は仕事で方向性に迷うときに効きます。業績不振の会社がどんな思考の罠に落ちていったのか、逆にどういう現場が粘り強く生き残ったのか。いわゆる成功本とは違って、判断の重たさや不安もそのまま書かれているので、自分の状況に置き換えやすいんです。「自分の仕事はこのままでいいのか」と感じている人ほど、静かに刺さると思います。 特に、“変化が見えたときにはもう手遅れだった”という場面が多く出てくるので、今見えていない盲点に気づくきっかけにもなります。そんな意味で、これはアパレルに興味がある人だけでなく、構造の変化に振り回されがちな人にも向いている一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

徹底取材で業界の最前線を作品化してきた経済小説の旗手が、大手婦人服メーカーを舞台に、戦後のサクセス・ストーリーとバブル後の衰退を描く。会社とは何かを社会に問うた村上ファンドとの攻防、社長の死と後継指名、競合他社との経営統合まで、アパレル業界、百貨店から映し出される戦後日本経済の栄枯盛衰の物語。
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