
Spotify――新しいコンテンツ王国の誕生
スベン・カールソン、ヨーナス・レイヨンフーフブッド、池上 明子
ダイヤモンド社 / 2020-06
この本について
仕事でもプロジェクトでも、仕組みをつくる側に回ろうとすると「正解が見えない」「どこまでリスクを取ればいいのか」と迷うことが多いですよね。僕もそうで、特に相手が大きな組織だったり、情報が不透明だったりすると、前に進む判断そのものが怖くなることがあります。 この本を読んでおもしろいのは、Spotifyほどの巨大サービスでさえ、最初の頃は利益も出ず、レコード会社との交渉では前払いを求められて赤字が確定するような契約を飲まざるを得なかったり、アーティストが大量に離脱したり、とにかく“正しい一手”なんて最初から存在していなかったところです。それでも彼らが進めた理由は、データの扱い方や無料モデルの位置づけなど、迷いながらも自分たちの仮説を小さく検証し続けていたからだと感じます。ユーザーの位置情報やセンサーデータをどう使うか、その反発をどう修正するかの動き方も含めて、判断のグラデーションが見えるのがありがたいところです。 もう一点、読んでいて背筋が伸びたのは、組織の成長に合わせて技術も人事も容赦なく変わっていくリアルさでした。P2Pからクラウドへの移行や、若手管理職が職務転換を余儀なくされる場面など、“大きくなるということはこういう痛みがある”という現実が淡々と描かれています。きれいごとではなく、実務の泥臭さまで含めて学べるのは貴重です。 自分の判断に迷ったとき、挑戦していいのか不安になる人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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