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男らしさの終焉

男らしさの終焉

グレイソン・ペリー and 小磯洋光

フィルムアート社 / 2019-12-25

累計読者数4
平均ハイライト数 13.8件/人
推定読了時間 約2時間28分
star総合評価 49/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 23%

この本について

最近、「男らしさって結局なんなんだろう」とぼんやり考える時間が増えました。強くあれ、上を目指せ、弱音は隠せ……と言われてきたはずなのに、その通りに振る舞うほどしんどくなる瞬間がある。うまく説明できない違和感だけがじわっと残る。そんなモヤモヤを言語化してくれたのが『男らしさの終焉』でした。 この本の面白いところは、男性性を「敵」として扱わないところです。むしろ、男らしさの犠牲者の半分は男性なんじゃないか、と静かに問いかけてくる。たとえば、怒りの裏にある無力感の話や、序列にしがみつくより自分の感情に気づくほうがよっぽど難しいという指摘は、思い当たる人も多いはずです。また「普通」や「理性的」であろうとする姿勢が、実は自分の可能性を縮めているかもしれないという視点には、個人的にもドキッとしました。 さらに、差別や序列の問題を「遠い社会問題」としてではなく、自分の中のソフトウェアの話として見せてくれるのもありがたかったです。環境やしつけがどれだけ自分の反応を形づくっているかを知るだけで、少し息がしやすくなる。男らしさを手放すのではなく、選び直す感覚に近いかもしれません。 自分の中の「こうあるべき」にうっすら疲れている人にこそ刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

ターナー賞アーティストであり異性装者(トランスヴェスタイト)としても知られるグレイソン・ペリーが、新しい時代のジェンダーとしなやかな男性のあり方を模索する─! 本書を読みながら、「男らしさ」ってなんなのかと考え、自分の頭の中に浮かんだ言葉でもっともしっくりときたのは「麻痺」だった。そういうことにしておくとか、気付かないふりをするとか、さすがにこれくらいイイだろとか、真剣に考えないように頭を麻痺させることで「力」を顕示する。(『ハーバーズ バザー』2020年3月号より) ――武田砂鉄(ライター) 痛快、辛辣、そして真摯。「旧来型の男らしさを尊ぶ男たちは、架空の組織である男性省のトップから舌打ちされるのを恐れている」「男性性とは主に、ペニスをもつ人々にしつけられた感情の構成」という考え方に、なるほどねと膝を打ちました。 ――ジェーン・スー(コラムニスト) グレイソン・ペリーは、12歳の時に自分の男性性に疑問を抱き、やがて女性の服を着ることに魅力を感じるようになりました。暴力的な継父など周囲の男性たちやジェンダーの縛りのせいで苦しんだ経験をもつ彼は、男性の最大の敵は、男性自身だと言います。男性性の被害者は女性だけではありません。男性自身もまたジェンダーを演じることに駆り立てられている犠牲者といえます。 大抵の男性はいい人で道理をわきまえています。しかし、乱暴な人間、レイピスト、犯罪者、殺人者、脱税者、汚職政治家、セックス中毒、ディナーで退屈な話をするのは、なぜ男性ばかりなのでしょうか。 世界は絶えず変化しています。男性にも変化が必要なのです。マッチョで時代遅れの男らしさと距離を置き、それとは別の男らしさを受け入れることで、世界にポジティブな変化をもたらすことができるのです。 本書でペリーは人種、階級、性別、セクシュアリティ、経済学、人類学、社会学、および心理学など、さまざまな分野を横断しながら、冷静な(時には風刺を交えて)分析をしています。そして、本書の最後に、男性向けの未来のマニフェストを提示します。 《男性の権利》 傷ついていい権利 弱くなる権利 間違える権利 直感で動く権利 わからないと言える権利 気まぐれでいい権利 柔軟でいる権利 これらを恥ずかしがらない権利 本書が、社会で当たり前とされている男性像、男らしさの固定観念から自由になり、新しい世界に踏み出す一歩となることを静かに願います。
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