
恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
エイミー・C・エドモンドソン, 村瀬俊朗, and 野津智子
英治出版 / 2021-02-03
この本について
職場で「聞きたいことがあるのに、場の空気を読んで黙ってしまう」とか、「言えばいいのは分かってるけど、悪い印象を与えそうで踏み出せない」といったモヤモヤ、けっこう根が深いよなと思います。僕自身、黙っていたほうが賢いやり方に見えてしまう瞬間が何度もあって、そのたびに後味の悪さだけが残りました。 この本が面白いのは、そうした沈黙の裏にある不安を“個人の性格”ではなく“構造としての職場文化”として描いているところです。人が声を出せないのは、勇気が足りないからではなく、恥をかくリスクや関係が悪くなる不安が、目に見えない壁をつくっているからだと。心理的安全性は単に「優しい職場にしましょう」ではなく、率直に話せる土台をつくることで、そもそも知識やアイデアが流れる状態を回復させるためのものだと説明されていて、そこがすごく腑に落ちました。 もう一つ刺さったのは、「安全性が高いだけでもダメ」という指摘です。居心地はいいけれど難しい課題には向き合わない“快適ゾーン”に陥る危険もある。だからこそ、安心して話せる状態と、高い基準や目的を共有することをセットで考えないと、学習も成果も生まれない。そのバランス感覚が、この本の現実的な強みだと思います。 自分のチームで「みんな黙っている理由がよく分からない」と感じている人や、「声を出したいのに出せない側のしんどさ」を抱えている人には、特に刺さるはずです。
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