
戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ (スタンドブックス)
清田隆之(桃山商事)
この本について
男同士の関係って、気づけば「茶化す・いじる・競う」に寄りがちで、ちゃんと話すとか、自分の感情を出すのが途端にむずかしくなることがありますよね。人によっては、学生時代の空気感がそのまま大人になっても続いていて、「なぜか息苦しい」「自分の本音がどこにあるのかわからない」というモヤモヤを抱えているかもしれません。自分の中にある男性性のクセって、意識しないうちに育っていたりしますし。 『戻れないけど、生きるのだ』は、その“無意識に染みついたもの”を一度立ち止まって眺め直すための本でした。刺さった方の抜粋を見ると、「女子と接点がないのになぜミソジニーをこじらせたのか」「男同士の関係はdoingに偏りがち」「感情を言語化することへの恐怖」といった部分に共鳴が集まっています。つまり、この本が効いているのは、自分でも言語化しきれていなかった“男社会で身につけてしまった習性”に名前を与えてくれるところなんだと思います。たとえば、恋人との関係での甘えや承認欲求を正直に見つめることや、おじさん的な価値観がどこで形成されるのかを丁寧に追う視点は、かなり現実的で逃げ場のない感じがしましたが、そのぶん腑に落ちました。 もうひとつ大きかったのは、“素敵な男性像は学習で作るものではなく、心が動いた瞬間の積み重ねで育つ”という考え方です。これがあると、自分の男性性を矯正するというより、変化のきっかけをちゃんと拾いにいけるようになるというか、「あ、いま何かにときめいたな」と気づくこと自体が前に進む力になるんだと感じました。 自分の中の「俺たち」をそろそろ見直したいけれど、説教くさい話はしんどい……そんな人に静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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