
ゼミナール マーケティング入門 第2版 (日本経済新聞出版)
石井淳蔵、嶋口充輝、栗木契、余田拓郎
日経BP / 2013-09-27
この本について
仕事でマーケティングに関わっていると、「調査はやったけど結局どう判断すればいいのか」とか、「技術はあるのに市場が動かないのはなぜだろう」とか、モヤっとする瞬間が多いと思います。数字は揃っているのに確信が持てない、顧客の声を聞きすぎても迷う、かといって自分の思い込みで突っ走るのも怖い。僕もずっとその揺れの中にいます。 『ゼミナール マーケティング入門』は、そんな曖昧さを“ないもの”として扱わず、むしろ前提として受け止めるところから始まる本でした。技術力さえあれば勝てるわけではないこと。消費者調査は道しるべになる一方で、解釈の仕方しだいで結論が変わってしまうこと。そして、必要や欲求そのものが揺れ動く“偶有性”を含んでいること。こういう「現場で感じる違和感」を理論と事例で丁寧につなぎ直してくれます。 特に深く刺さったのは、企業側が受け身になるだけでは市場は開けないという視点です。サントリーのハイボールの例のように、技術や素材をどう位置づけるかで需要は大きく変わるし、消費者の一歩先をそっと示す主体性も必要になる。調査に従うだけでも、逆張りするだけでもダメで、その“距離の取り方”こそがマーケターの仕事なんだと腹落ちしました。 「調査と直感の間で揺れている人」や「技術起点の企画がなかなか形にならないと感じている人」には、とても静かに効いてくる本だと思います。自分の判断の拠り所をもう少し丁寧に言語化したいときに、そばに置いておく一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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