
知覚力を磨く――絵画を観察するように世界を見る技法
神田 房枝
この本について
最近、「見えているはずなのに全然つかめない」「情報は追っているのに、意味づけが浅い気がする」という相談をよくもらいます。僕自身、会議で違和感を覚えても言語化できなかったり、データに振り回されて判断がぶれることが多くて、ずっとモヤモヤしていました。そんなときに読んで、かなり視点が変わったのがこの本でした。 この本は「知覚」を、単なる見た目の問題ではなく、思考や判断の土台として扱います。印象的だったのは、まず自分の眼が“何を/どう見ようとしているのか”をコントロールするところから始まる、という指摘でした。忙しい日常だと、僕らはスマホ検索の癖のまま、目的の情報だけを探しにいってしまいます。でも著者は、意図をいったん脇に置いて“ゼロベースで見る”ことが、意味づけを豊かにするための第一歩だと語ります。 さらに、知識より前に知覚があるという構造を示されると、リベラルアーツの本来の役割が腑に落ちてきます。知識を増やせば視野が広がるのではなく、丁寧に観察して得た自分なりの解釈があるからこそ、知識が生きてくる。だからこそ、美術の素養がなくても、絵画を「よく観る」ことそのものがトレーニングになるという話が妙に現実的で、すぐに試してみようと思えました。 仕事で判断に迷いやすい人、あるいは情報に触れているはずなのに手応えが薄いと感じている人には、静かに効いてくる本だと思います。自分の眼の癖に気づくと、世界の解釈の仕方がほんの少し変わります。その小さな変化が、あとからけっこう大きな差になる——そんな実感をくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt
知性の核心は知覚にある DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文
安宅 和人 and DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部

スキルペディア 360度の視点で能力を哲学する絵事典
村山昇

ビジネスマンのための「発見力」養成講座 こうすれば、見えないものが見えてくる ビジネスマンのための力養成講座シリーズ (ディスカヴァー携書)
小宮一慶

知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性 限界シリーズ (講談社現代新書)
高橋昌一郎

問題解決のジレンマ―イグノランスマネジメント:無知の力
細谷 功
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要