
地下鉄に乗って 新装版 (講談社文庫)
浅田次郎
講談社 / 2020-10-15
累計読者数4
平均ハイライト数 1.5件/人
推定読了時間 約3時間53分
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 83%
この本について
最近、人との距離感がよくわからなくなることが増えました。親しいはずなのに踏み込めない時もあれば、逆に、一歩踏み込んだ瞬間に相手の表情がふっと曇ることもある。過去や立場を抱えたまま、現在の関係をどう扱えばいいのか…そんなモヤモヤを抱えたまま日々を過ごしている人は多いと思います。 浅田次郎の「地下鉄に乗って」を読むと、その迷いに少し輪郭がつきます。抜粋にもあるように、見知らぬ相手に突然話しかけられた時のとまどい、父の執務室に近づくことすら避けてしまう心のざらつき、闇市の青年がふっと見せるはにかんだ笑顔。どれもドラマチックな場面に見えて、実は「人と向き合うときの揺れ」を丁寧に書いたシーンなんですよね。時間をさかのぼる物語ではあるけれど、そこで描かれるのは過去の再現ではなく、自分が避けてきた関係に触れる時の温度や痛みです。 読んでいると、あの時なぜ距離を置いたのか、なぜ素直になれなかったのか、そんな自分の動きが少しだけ読み解ける気がします。劇的な変化をくれる本ではないけれど、心の中のほこりをそっと払ってくれるような感触があります。 過去の誰かとの関係に、今さら触れにくさを感じている人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。
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