
千歳くんはラムネ瓶のなか 5 (ガガガ文庫)
裕夢 and raemz
小学館 / 2021-04-25
この本について
人との距離感がよくわからなくなる時ってありますよね。踏み込みたい気持ちと、踏み込みすぎたら壊れそうな怖さが同時にあって、結果どっちにも動けないまま時間だけが進んでいく。頭では「もっとちゃんと話せばいいだけ」とわかっているのに、感情はそんなに簡単じゃない。そのもどかしさ、けっこう多くの人が抱えていると思います。 『千歳くんはラムネ瓶のなか 5』の抜粋を読むと、読者が刺さっているのは、人と向き合うときの温度や距離の揺れなんじゃないかと感じます。冷凍庫から出したあずきバーみたいに固い声に傷ついたり、片足だけ踏み込んだ関係にとまどったり、言えなかった「好き」がずっと胸に残ったり。ここに描かれているのって、恋愛というより、自分でも扱いきれない心の動きそのものなんですよね。 この巻が効いてくるのは、まず「自分の弱さを抱えたまま誰かと関わるって、ほんとはこういう温度なんだよな」と思い出させてくれるところ。無理に強くならなくても、ぎこちなくても、少しずつ共有していけばいいという実感が残ります。そしてもうひとつ、後悔を恐れすぎて動けない時に、「言えなかった後悔より、言えた後悔のほうがまだ救いがある」と静かに背中を押してくれるところ。勢いで変われとは言わないけれど、気持ちが揺れる瞬間の重みをちゃんと描いてくれるので、自分の選択にも向き合いやすくなります。 関係を大切にしたいのに不器用さが出てしまう人に特に刺さると思います。軽い話でも重い話でもなく、日々の自分と誰かのあいだにある細かな揺れを、そのままの温度で受け止めたい時に読むと、少し息がしやすくなる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
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