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中国の歴史4 三国志の世界 後漢 三国時代 (講談社学術文庫)

中国の歴史4 三国志の世界 後漢 三国時代 (講談社学術文庫)

金文京

講談社 / 2020-11-12

累計読者数3
平均ハイライト数 14.7件/人
推定読了時間 約7時間24分
star総合評価 64/100
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この本について

歴史を読んでいて、「結局どの時代が今の文化につながっているんだろう」とか、「三国志って物語としては知ってるけど、実際の中国史の中ではどう位置づければいいんだろう」といった小さなひっかかりが残ることがあります。自分もそうで、人物名や戦の流れは追えても、そこから“何が始まったのか”までは整理しきれずにいました。 この本が効いてくるのは、まさにそのモヤモヤを「構造として見える化」してくれるところです。たとえば儒・仏・道の三教が、この時代からすでに交流と衝突を繰り返していたという指摘を読むと、思想史の流れが点ではなく線になる感覚があります。また、物語では脇役扱いの呉が、じつは三国時代の空気を決める影の主役だったという視点も、いつもと違う角度から歴史を見るきっかけになるはずです。さらに、日本や朝鮮で外戚が後世まで影響力を持った理由を、家族制度の受容度の差から説明する部分は、「中国と同じ儒教圏」という大ざっぱな理解を静かに裏返してくれます。 物語としてではなく、「ここから中国という国の特徴が始まっている」と捉えたい人に刺さる一冊です。三国志を読み慣れた人でも、この時代を“再構築”して見る感覚を味わえると思います。自分も読みながら、あの有名な乱世が、宗教や家族制度までも左右するほど深い起点だったことに、ようやく気づけました。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

講談社創業100周年企画「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版。第2回配本、第3巻と同時発売の第4巻は、後漢末期から魏・呉・蜀の三国時代に焦点を当てる。 日本人にもっとも長く、広く親しまれてきた外国文学、『三国志』に語られる歴史は、どれほど史実を伝えているのだろうか。中国文学の研究者である著者が、小説『三国志演義』を手掛かりに、大抗争時代の戦乱と外交、文化と社会を解き明かす。 著者によれば、この時代は、現代にいたる中国の歴史を知るうえで、見逃せない重要性を持っているという。たとえば、小説では悪役の魏の曹操は、卓越した改革者であり、その子の曹丕、曹植は優れた詩人だった。曹操父子を中心とする文学運動が、後の唐詩の原点となったのである。また、広大な中国に、統一帝国を強く指向する理念が確立したのは、この時代だった。さらに、中国思想の骨格を成す儒教・仏教・道教が定着し、三教の間で論争と交流が行われるようになったのも、後漢末から三国時代のことだった。 また、陳寿の正史『三国志』や羅貫中の『三国志演義』では脇役だった呉こそが、実はこの時代を演出した影の主役だという。邪馬台国と朝鮮半島を含む東アジアの動乱は、現代に何をもたらしたか。文学から歴史を読む、中国通史シリーズとしては異色の一巻。〔原本:2005年、講談社刊〕
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