ヨムナビ
文学少女対数学少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

文学少女対数学少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

陸 秋槎 and 稲村 文吾

早川書房 / 2020-12-03

累計読者数7
平均ハイライト数 5.4件/人
推定読了時間 約3時間42分
star総合評価 47/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 37%

この本について

仕事でも読書でも、理解したいのに何度読み返しても腑に落ちない、あの「わからないまま立ち止まる時間」が続くことってありますよね。自分の頭が悪いわけじゃないと分かっていても、もやっとしたまま次に進めない感じ。僕もよくそこで足が止まります。 『文学少女対数学少女』を読んで面白かったのは、その「わからなさ」にちゃんと手を伸ばしてくれるところでした。抜粋にもあるように、推理小説を公理体系になぞらえたり、ゲーデルやヒルベルトの名前がぽんぽん出てきたり、文学と数学が同じ地図の上に乗る瞬間が何度もあります。専門知識を披露する感じではなく、「記号」「命題」「選択」といった概念が、登場人物の思考や物語の組み立てと地続きで語られるので、抽象に置いていかれずに済むんです。自分が普段触れているジャンルの外側にも、同じような考え方の筋道があるんだと気づけるのが心地よくて、あの行き詰まりの空気が少しゆるむ感じがしました。 もうひとつ良かったのは、「解けなさ」そのものが悪者扱いされていないところです。マロニエやグランディの話題が飛び交ったと思えば、ヴァージニア・ウルフや吉屋信子が並び、抽斗の中身をひっくり返すように議論が転がっていく。理解の速度も深さも人それぞれでいい、という空気があって、そのぶん自分のペースで考える余白がありました。 専門と教養の境目で迷子になりがちな人、あるいは「わからないものを前にして固まってしまうタイプ」の人には、特に刺さると思います。僕にとっては、わからなさを抱えたままでも読書を続けていいんだ、と素直に思わせてくれる一冊でした。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

高校2年生の“文学少女”陸秋槎は自作の推理小説をきっかけに、孤高の天才“数学少女”韓采蘆と出逢う。彼女は作者の陸さえ予想だにしない真相を導き出して……“犯人当て”をめぐる論理の探求「連続体仮説」、数学史上最大の難問を小説化してしまう「フェルマー最後の事件」のほか、ふたりが出逢う様々な謎とともに新たな作中作が提示されていく全4篇の連作集。華文青春本格ミステリの新たなる傑作! 解説:麻耶雄嵩
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要