
世界の再生可能エネルギーと電力システム 風力発電編 第2版 (NextPublishing)
安田 陽
インプレスR&D / 2020-12-18
この本について
再生可能エネルギーの話題って、どうしてもふんわりした理想論になりがちで、「結局、日本で本当に成り立つのか?」みたいなモヤモヤが残りやすいですよね。僕自身も、ニュースや議論を追っているだけでは手触りがつかめず、判断の軸が揺れ続けていました。でもこの本は、風車の構造から日本の風況データ、土地のポテンシャルまで、粒度のそろった情報で「理解できるところまで降りてきてくれる」感じがありました。 たとえば、風車のブレードがなぜ樹脂素材なのか、なぜピッチ角で回転数を調整できるのか、といった物理の話は一見専門的ですが、読み進めるうちに「自然風を相手にしながらも、人間がどこまで制御できるのか」という現実的な限界が見えてきます。また、日本の風況が本当に欧州より劣っているのか、導入ポテンシャルはどれくらいあるのか、といった議論も、データを丁寧に見ていくと印象がガラッと変わります。感覚ではなく、数字で判断できるようになるのが大きいところでした。 そして一番意外だったのは、風車そのもののスケール感。ブレード先端が時速300kmに達する話や、1基で原発一基に迫る規模感の設備があるという事実は、単に「クリーンな電源」という以上に、産業としての大きさや難しさを実感させてくれます。机上ではなく、風車の「実物」を頭の中に立体的に置けるようになる本です。 数字で語られないエネルギー議論に疲れている人、理想と現実の間で判断軸を持ちたい人に刺さる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
読書の順序
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