
テスカトリポカ (角川書店単行本)
佐藤 究
KADOKAWA / 2024-06-13
この本について
最近、人との距離感とか、自分の居場所について考えすぎてしまうことが多くて、ふと「何を拠りどころにして生きてるんだろう」と立ち止まる瞬間があります。日常はちゃんと続いているのに、奥のほうでは空気が抜けたみたいに空っぽなまま動いている感じ。こういう時に物語を読むと、自分の悩みとは全然違うはずなのに、なぜか深いところで響くことがあります。 『テスカトリポカ』の抜粋を見ていると、多くの人が惹かれていたのは「空虚さを抱えた人が、それでも生きる理由を探していく姿」でした。ルシアが望んだのは幸福ではなく、ただ“無になりたい”という感覚。そこに共鳴してしまうのは、心が少し疲れている時に特有の感覚だと思います。暴力や麻薬戦争の描写は激しいのに、人物たちの“虚しさ”や“どこにも行けなさ”は、日常を生きる自分たちの延長線上にあるように感じられます。 もうひとつ、この物語には「人は自分が望んだものに傷つけられる」という視点が何度も顔を出します。家族を失った者の復讐、安定を求めたはずの結婚が深める孤独、忘れようとした故郷が息子の誕生でよみがえる瞬間。逃げても戻ってきてしまう感情と向き合わされるところが、この本が強く刺さる理由なんだと思います。 世界のどこかで起きている極限の出来事を描いていながら、読んでいる自分の内部にも静かに踏み込んでくる本です。自分の内側の空洞に名前をつけられずにいる人にこそ刺さります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの65%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




