
テスカトリポカ (角川文庫)
佐藤 究
KADOKAWA / 2024-06-13
累計読者数14
平均ハイライト数 4.5件/人
推定読了時間 約8時間35分
star総合評価 41/100
start序盤集中型
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この本について
仕事でも日常でも、自分の中に説明しきれない「黒いもの」が残るときがあります。怒りや不安が伝染していく感じや、環境に押し流されていく感覚って、意識していなくてもじわじわ効いてきますよね。逃げたいのに逃げきれない、名前のつかない重さだけが居座ることもあると思います。 『テスカトリポカ』は、そういう感情を綺麗に解決してくれる本ではありません。ただ、人間の闇や弱さを極限までさらし出すことで、「自分の中の何に怯えているのか」を少しだけ言語化してくれる瞬間があります。負の感情がどう伝染するのかとか、善意がどんな形で利用されるのかとか、現実でも起こりうる怖さが物語の中で異様な形をとって迫ってきます。その迫力に触れていると、自分が普段避けていた部分に向き合わざるをえなくなるんです。 そして、この本が妙に響くのは、「人は何かを恐れているほうが退屈しない」とか、「生きる目的なんて最初からは持てない」という視点が、妙な形で救いになるところ。完全な正しさじゃなくて、混ざりものの多い現実のほうに軸を置いているからこそ、読んだあとに少しだけ呼吸がしやすくなります。 自分の中の影を、いったん正面から見てみたい人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
心臓を鷲掴みにされ、魂ごと持っていかれる究極のクライムノベル! メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。生き残った三男のバルミロは、追手から逃れて海を渡りインドネシアのジャカルタに潜伏、その地の裏社会で麻薬により身を持ち崩した日本人医師・末永と出会う。バルミロと末永は日本に渡り、川崎でならず者たちを集めて「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。一方、麻薬組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれた少年コシモは公的な教育をほとんど受けないまま育ち、重大事件を起こして少年院へと送られる。やがて、アステカの神々に導かれるように、バルミロとコシモは邂逅する。
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