
宗實直樹の社会科授業デザイン
宗實 直樹
東洋館出版社 / 2021-02
この本について
授業づくりって、考えれば考えるほど「これでいいのかな…」と不安になる瞬間がありますよね。流れを整えることばかりに気を取られて、子どもがどこでつまずいて、どこで気づくのかが見えないまま1時間が終わってしまう。自分の授業が“ただ流れているだけ”なんじゃないかというモヤモヤは、僕自身もよく抱えていました。 『宗實直樹の社会科授業デザイン』は、そのモヤモヤに対して「どこで立ち止まるか」という視点を強めてくれる本でした。奈須先生の「授業は流すものではありません。いかに止まるかが重要だ」という言葉が何度も引用されていますが、実際に読んでみると、これは精神論ではなく、授業の組み立てレベルで“止まる場面”をつくるための具体的な方法論として示されています。例えば、予想と事実のズレをあえてつくり、そこから子どもの中に問いが立ち上がる瞬間を仕掛けることや、1時間のゴールを子どもの発言レベルで想定しておくこと。こうした“細部の設計”が積み重なって授業全体の流れが変わるんだと実感しました。 さらに、この本がいいのは「社会科だから特別」という感じがなく、見方・考え方を軸にした学びのつくり方が、どの教科にも応用できるところです。単元の問いの主語を明確にする、比較思考を意図的に入れる、文化遺産や先人をどう位置づけるかなど、内容の扱い方まで一歩踏み込んで整理されています。読んでいると、自分の授業に足りなかった“設計の粒度”が少しずつ見えてきます。 授業が「なんとなく流れてしまう」と感じている人にほど、静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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