
子育て支援の経済学
山口 慎太郎
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この本について
子育て支援の議論って、調べるほど「何が本当に効いているのか」が分からなくなってきませんか。お金を配ればいいのか、保育所を増やせばいいのか、働き方を変えればいいのか。どれも耳にするけれど、自分の実感と政策の話がどうもつながらないまま終わってしまうことが多いと思います。 この本が面白いのは、「なぜ出生率が下がるのか」というモヤモヤに、経済学の視点で地に足のついた説明をしてくれるところです。例えば、親が負担する費用と社会が受け取る便益がずれている、という指摘は実生活にも妙にしっくりきますし、現金給付が必ずしも子どもの数を増やさない理由も、読み進めると腹落ちします。また、保育所の整備が母親の就業には効いても出生率には直結しないケースがある、という具体例は、「支援すればいい」という単純さから一歩外に出るきっかけになります。 自分の中で「なぜうまくいかないんだろう」とぼんやり感じていた部分が、仕組みとして見えてくる本です。子育ての当事者だけでなく、政策議論を表面的には追っているけれど実感との距離がある人にも刺さるはずです。 「子育て支援の正しさ」に確信が持てないまま議論に置いていかれているような人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
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