
実子誘拐ビジネスの闇
池田良子
飛鳥新社 / 2021-04-22
この本について
家族のことって、本来いちばん身近で守られるべき領域のはずなのに、離婚や親権の話になると急に「何が正しいのか」が見えなくなる瞬間があります。制度の仕組みも、支援側の論理も、外からはほとんど見えないからこそ、自分の感じている違和感が勘違いなのか、それとも構造のほうに歪みがあるのか判断しづらい。そんなモヤモヤを抱えたまま時間だけが過ぎていく感覚、わりと多くの人が共有していると思います。 この本は、その“見えにくさ”に切り込んでいます。著者が描く世界観はかなり強いトーンで、読んでいて驚く部分も多いのですが、抜粋を見てもわかる通り、読者が保存しているのは「制度がどう運用されているのか」「子どもがどんな立場に置かれやすいのか」「親同士が疑心暗鬼に陥る構造がどう生まれるのか」といった、現場のリアルに触れる部分ばかりでした。自分が迷ってきた理由が“個人の問題”だけではなかったかもしれないと視点をずらしてくれるのは、この本の強みだと思います。 特に、DVや親権の判断がどれだけ曖昧な線引きに乗っているのか、そしてその曖昧さが子どもとの関係にどう影響するのかは、具体的な描写を通して考えさせられました。著者の主張にそのまま同意する必要はまったくありませんが、「なぜこんなにも親子が引き裂かれるケースが多いのか」と感じてきた人には、議論の地図を広げてくれる一冊です。 家族の問題を“個人の努力だけ”で片付けることに限界を感じている人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
読書の順序
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