
子どもの発達格差 将来を左右する要因は何か (PHP新書)
森口 佑介
PHP研究所 / 2021-06-15
この本について
子どもの「今の行動」をどう受け止めればいいのか、迷うことが多いですよね。自分の育ちや周りの環境まで含めて考えだすと、何が本質で何が偶然なのか見えなくなる。僕もよくそこで立ち止まっていました。 この本が助けてくれたのは、「子どもの能力差は、性格の良し悪しではなく、環境との相互作用で生まれる」という視点でした。たとえば、前頭前野の働きがストレスや親子のやりとりで左右される話は、努力論だけでは説明しきれない現実を静かに示してくれます。また、「今を生きる子」と「未来に向かう子」を分けるものが、家庭の経済状態そのものよりも、信頼できる他者の有無だと語られる部分は、親として何を大事にすべきかを具体的に考えるきっかけになりました。 さらに、向社会的行動や実行機能の発達が、単なる“良い子像”ではなく、子どもが未来へ橋をかけていくための土台であるという説明は、日々の関わり方を少し現実的に整えてくれます。能力だけ鍛えても環境が追いつかなければ意味がない、という指摘も耳が痛いけれど安心できるところでした。 「環境と子どもの行動のつながりを、もう少し冷静に理解したい人」に刺さる一冊だと思います。子どもの姿を責めるでも理想化するでもなく、どう寄り添えばいいかを考えたいときにそっと効いてくれます。
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