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〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す

〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す

知念渉

青弓社 / 2018-12-27

累計読者数3
平均ハイライト数 9.7件/人
推定読了時間 約3時間47分
star総合評価 41/100
start序盤集中型
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この本について

学校の中で「同じヤンチャに見える子たちでも、全然ちがう動きをしているよな…」とか、「問題行動に見えるものをどう読み取ればいいのか分からない」というモヤモヤ、けっこう共有されている気がします。表向きは“平等に接する”と言いつつ、困難を拾いきれなかったり、背景にある文化の違いをうまく扱えなかったり。その感じ、個人的にもずっと引っかかっていました。 この本が面白いのは、ヤンキー文化を「階層文化」か「若者文化」か…みたいにどれか一つに当てはめて説明するのをやめて、彼らが家庭文化と学校文化の間で揺れながら、そのなかでどう振る舞いを選び取り、どうジレンマを抱えているのかを丁寧に追うところです。たとえば同じ“ヤンチャな子”に見えても、家庭の文化や中学までの軌道でまったく異なる実践をしていたり、集団内部にも静かな階層性があったりする。その視点に触れると、「表面の行動だけで判断していたな…」と自分の見方が少しずれる感覚があります。 もう一つ、彼らがマニュアル労働を選ぶ理由を“選択肢がないから”で片づけない点も印象的でした。学校文化への反発や、家族から継承した価値観、そこで感じるジェンダー観まで含めて「自分で選んでいる」部分がある。こういう説明が入ると、進路や仕事の選択を単なる「結果」ではなく、その人の生きた文脈として見られるようになります。 学校で生徒を見ている人や、若者支援に関わる人、そして「行動の奥にある文化」を知りたい人には特に刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

ヤンキーという言葉から、どのようなイメージをもつだろうか。時代遅れというイメージがある一方で、近年では「マイルドヤンキー」のようにマーケティングの対象として注目されたりもしている。しかし、ヤンキーと呼ばれる若者が何を考え、どのように生活をしているのか、十分な調査に基づいた書物は少ない。 大阪府の高校で3年間、〈ヤンチャな子ら〉と過ごしフィールドワークして、対立だけではない教師との関係、〈インキャラ〉とみずからの集団の線引き、家族との距離感を丁寧にすくい上げる。そして、高校を中退/卒業したあとの生活も調査し、大人への移行期に社会関係を駆使して生き抜く実際の姿を活写する。 集団の内部の亀裂、地域・学校・家族との軋轢、貧困や孤立――折り重なる社会的亀裂を抱える若者の「現場」から、分断や排除に傾かない社会関係の重要性を指し示す。
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