
〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す
知念渉
青弓社 / 2018-12-27
この本について
学校の中で「同じヤンチャに見える子たちでも、全然ちがう動きをしているよな…」とか、「問題行動に見えるものをどう読み取ればいいのか分からない」というモヤモヤ、けっこう共有されている気がします。表向きは“平等に接する”と言いつつ、困難を拾いきれなかったり、背景にある文化の違いをうまく扱えなかったり。その感じ、個人的にもずっと引っかかっていました。 この本が面白いのは、ヤンキー文化を「階層文化」か「若者文化」か…みたいにどれか一つに当てはめて説明するのをやめて、彼らが家庭文化と学校文化の間で揺れながら、そのなかでどう振る舞いを選び取り、どうジレンマを抱えているのかを丁寧に追うところです。たとえば同じ“ヤンチャな子”に見えても、家庭の文化や中学までの軌道でまったく異なる実践をしていたり、集団内部にも静かな階層性があったりする。その視点に触れると、「表面の行動だけで判断していたな…」と自分の見方が少しずれる感覚があります。 もう一つ、彼らがマニュアル労働を選ぶ理由を“選択肢がないから”で片づけない点も印象的でした。学校文化への反発や、家族から継承した価値観、そこで感じるジェンダー観まで含めて「自分で選んでいる」部分がある。こういう説明が入ると、進路や仕事の選択を単なる「結果」ではなく、その人の生きた文脈として見られるようになります。 学校で生徒を見ている人や、若者支援に関わる人、そして「行動の奥にある文化」を知りたい人には特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt
教育が変われば、社会が変わる 三菱グループの教育財団が本気で教育に取り組んで見えてきたこと
崎谷 実穂、一般財団法人三菱みらい育成財団

ヤンキーと地元 ――解体屋、風俗経営者、ヤミ業者になった沖縄の若者たち (ちくま文庫)
打越正行

「これくらいできないと困るのはきみだよ」?
勅使川原 真衣、野口 晃菜、竹端 寛、武田 緑、川上 康則

スクールカーストの正体 -キレイゴト抜きのいじめ対応-(小学館新書)
堀裕嗣

ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)
宮口幸治
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要