
複雑化の教育論 (シリーズ・越境する教育)
内田樹
累計読者数16
平均ハイライト数 19.8件/人
推定読了時間 約5時間7分
star総合評価 64/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 38%
この本について
仕事でも学校でも、人と向き合う場面になると「結局どうするのが正解なんだろう」と手が止まることが多いですよね。答えを急ぐほど視野が狭くなって、AかBかで割り切れない現実に置いていかれる感じがある。コミュニケーションも「ちゃんと伝える」ことばかり求められて、うまくいかなくなった時に何をすればいいのかは誰も教えてくれない。僕自身、そのあたりでずっと迷ってきました。 この本が面白いのは、「複雑さに耐える力」や「関係が壊れたところから再開する力」こそが実用的だ、と静かに言い切っているところです。問題を単純化して片づけるのではなく、中腰のまま状況を保留できる余白を持つこと。それができると、人との関係でも、仕事の判断でも、意外なところで復元力が働き始める。学校という場の話が軸になっていますが、子どもへの接し方を語りながら、実は大人の私たちが失ってきた視点をそっと突いてきます。「君はここにいていい」とまず安心をつくることの重要さなんて、職場でも家庭でもそのまま当てはまると思います。 複雑さから逃げずにやっていきたいけれど、正解を急ぐクセが抜けなくてしんどい人には特にしっくりくるはずです。僕にとっても、状況をすぐ白黒つけようとする癖をゆるめてくれる一冊でした。
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出版社による紹介
思想家・内田樹氏の教育論・成熟論! 教員志望者の減少、不登校問題、問題視される教師の働き方、いじめ問題、見直される部活動、オンライン授業...... 教育に複雑に絡み合う事象を、複雑なままときほぐす 〇学校に隠されている数々の「贈り物」と「呼びかけ」 〇成熟すると、「一筋縄では捉えられない人間」になる 〇キャラ設定が複雑化を阻害する 〇知性は葛藤のうちで開発される 〇教師の「ブルシット・ジョブ」をあぶりだす 〇オンライン授業は「思いがけずうまくいった」 〇社会にはびこる組織マネジメント原理主義・管理コスト最少化原理主義 〇合意形成は「Lose-Lose-Lose」 〇成長する社会には管理コストがかかる 〇人生は「バイ・アクシデント」の連続 〇機嫌のよい人が同期現象誘発者となる ❝学校は子どもたちの成熟を支援するためのものです。 これまで「子どもたちの成熟」という言葉を何度か使ってきました。みなさんも頷いて聴いてくれましたけれど、「成熟」という語が何を意味しているのかについては、ここまではっきりしたことを言っていません。 ――僕が考える「成熟」というのは「複雑化」ということです。❞〔 本文より〕 ーーー シリーズ・越境する教育 いくつもの問いを手に、教育に思いを巡らす。 「つなぐ、ほどく、ひらく」を合言葉に、分からなさをたのしみ、しなやかに考えるための目印となるような一冊を編んでいきます。
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