
インドネシア ──世界最大のイスラームの国 (ちくま新書)
加藤久典
累計読者数10
平均ハイライト数 33件/人
star総合評価 67/100
start序盤集中型
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この本について
異文化や宗教について学ぶとき、「理念は分かるけど、実際の暮らしではどうなってるんだろう」とモヤモヤすることが多いです。頭では理解したつもりでも、現地の人の感覚や歴史の積み重ねとなると、一気に霧がかかる感じがあります。僕もインドネシアについてはまさにそうで、一般論だけを追いかけても、どこか現実から浮いてしまう感覚がありました。 この本が効いたのは、イスラームの教義と生活のあいだにある「距離」を、そのまま描いてくれているところです。聖人への祈りのように、理念と現実がずれる場面を丁寧に拾い上げ、「ズレ=間違い」ではなく「そこで人が生きている」という視点を与えてくれる。さらに、パンチャシラの話や宗教・民族の共存の歴史を読むと、異なる価値観を無理に揃えようとしない柔らかさが、社会を支えてきた理由として立ち上がってきます。そして、権利や正しさだけで相手を見る西欧の目線と衝突する場面は、国際ニュースを見るときの解像度をかなり変えてくれました。 「他文化の“実際のところ”を、自分の視点だけで決めつけたくない人」に刺さる本だと思います。自分の常識をちょっと外側から見直したいときに、静かに効いてくる一冊でした。
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