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国宝 上 青春篇 (朝日文庫)

国宝 上 青春篇 (朝日文庫)

吉田 修一

株式会社朝日新聞出版 / 2021-09-07

累計読者数49
平均ハイライト数 9.4件/人
推定読了時間 約4時間30分
star総合評価 60/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 45%

この本について

仕事でも人間関係でも、自分の「出自」や積み重ねてきたものがどれだけ役に立っているのか分からなくなって、ふと足が止まるときがあります。頑張ってきたはずなのに、目の前の誰かと比べてしまって、血が薄まったような心もとなさを感じるあの感覚です。 『国宝 上 青春篇』を読んで刺さったのは、そういう不安を真正面から描きながらも、派手に励ますわけではなく、「人はこんなふうに悩みながら形になっていくんだ」と静かに示してくれるところでした。たとえば、どの辺まで腕を上げると震えてくるかを骨に覚え込ませる稽古の描写や、役者の家に生まれたからこそ逃げられない血の感覚、そして仲間と再会したときに感じる少しの冷たさ。どれも華やかな世界の話なのに、自分たちの日常と地続きで、ちょっと胸が痛くなるんですよね。 この本が効くのは、自分の努力が本当に身になっているのか分からなくなったときです。役者たちは完成品として舞台に立たされる一方で、裏では迷い続けています。そのギャップを覗き見ることで、「迷ってても前に進める」という現実的な安心感が生まれます。それと同時に、家族や仲間との距離感の揺らぎも丁寧に描かれていて、自分の人間関係を見つめ直すきっかけにもなります。 刺さるのは、「自分の成長が目に見えなくて不安な人」。物語としての面白さはもちろん、読みながら自分の立ち位置を静かに確かめられる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

俺たちは踊れる。だからもっと美しい世界に立たせてくれ! 極道と梨園。生い立ちも才能も違う若き二人の役者が、芸の道に青春を捧げていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をダブル受賞、作家生活20周年の節目を飾る芸道小説の金字塔。

目次

青春篇
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