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死にたくなったら電話して (河出文庫)

死にたくなったら電話して (河出文庫)

李龍徳

河出書房新社 / 2014-11-21

累計読者数8
平均ハイライト数 9.4件/人
推定読了時間 約2時間58分
star総合評価 58/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 56%

この本について

気持ちが沈んでいるときに、自分の中の黒い感情が妙に整理されてしまう瞬間ってありませんか。人から見ればちょっと極端すぎる考え方でも、そのときの自分には妙にしっくりくる…みたいな。分かってはいるけど、そこから抜け出す糸口が見えないまま、気づいたら同じ思考のループにはまっていることもあると思います。 『死にたくなったら電話して』は、そういう「ループの中の声」を、ここまで容赦なく、正直なまま描くのか…と驚く小説でした。抜粋を見れば分かる通り、登場人物の言葉はどれも極端で、歪んでいて、それでいて妙にリアルです。読んでいて心地よいタイプの作品ではありません。でも、この極端さの中に、自分の中の“見ないようにしていた部分”を逆に冷静に見せられる瞬間があるんです。 例えば、 ・「最悪の未来ばかり想像して勝手に絶望するクセ」に気づかされること。 ・「劣等感や嫉妬を、もっともらしい理屈で飾ってしまう自分」への苦笑い。 ・「どうせ無理だし」と諦めることで安心しようとする心理の危うさ。 どれも大事な教訓というより、“こういう思考に自分も触れたことあるな”と気づくための鏡のように機能します。 華やかな成長物語ではなく、どちらかといえば「負の方向に触れることで、逆に落ち着くタイプ」の読書体験です。無理に前向きにならなくていいけど、このまま沈み込むのも違う…そんな曖昧な場所にいる人には刺さると思います。 綺麗ごとはほとんど出てきません。ただ、現実にうんざりしているとき、「こういう限界まで振り切れた視点に触れると、自分はまだ大丈夫かも」と少しだけ距離を持てることがあります。その“距離”をつくるための一冊として位置づけたい作品です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「死にたくなったら電話してください。いつでも」空っぽの日々を生きてきた男は、女が語る悪意に溺れていく。破滅の至福へと扇動される衝撃作。全選考員が絶賛した、第51回文藝賞授賞作。
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