
荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで (中公新書)
伊藤俊一
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推定読了時間 約5時間37分
star総合評価 64/100
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この本について
仕事でも生活でも、仕組みがいつの間にか形骸化して「これ、もう誰も扱えてないのでは…」と感じる瞬間があると思います。歴史の話だけど、荘園の成り立ちや律令制のほころびを追っていくと、そのモヤモヤと地続きなんだと実感しました。制度が壊れる時って、誰かが悪いというより、現場のリアルとルールが合わなくなる瞬間の積み重ねなんですよね。 この本が面白いのは、抽象的な「古代から中世への移行」ではなく、田堵が屋号のような仮名を名乗ったり、浪人が税の取り立てに抵抗したり、宋銭が大量に流れ込んで経済が変質したり、「その場にいた人が何を考え、どう動いたか」がちゃんと描かれているところです。抜粋を保存した人が多かった箇所も、制度より“人の動き”を軸に歴史が回っていく感覚に反応している気がします。先祖の墓が忘れられたり、口分田を守れず転々と移る農民の姿には、個人がルールに振り回される切実さが出ています。 仕組みの変化に巻き込まれている感じがする人や、今の働き方の不安を歴史の奥行きで捉え直したい人には特に刺さるはずです。歴史を知ることで前向きになるというより、「人は昔からこうやって試行錯誤していたんだ」と、少し肩の力が抜ける本でした。
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出版社による紹介
荘園は日本の原風景である。公家や寺社、武家など支配層の私有農園をいい、奈良時代に始まる。平安後期から増大し、院政を行う上皇の権力の源となった。鎌倉時代以降、武士勢力に侵食されながらも存続し、応仁の乱後に終焉を迎えた。私利私欲で土地を囲い込み、国の秩序を乱したと見られがちな荘園だが、農業生産力向上や貨幣流通の進展に寄与した面は見逃せない。新知見もふまえ、中世社会の根幹だった荘園制の実像に迫る。
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