
グッド・アンセスター グッド・アンセスター わたしたちは「よき祖先」になれるか
ローマン・クルツナリック
この本について
目の前の仕事や生活だけでいっぱいいっぱいで、数年先のことすら考える余裕がないときってありますよね。自分もそうで、「このまま短距離走みたいに日々を回し続けて大丈夫なんだろうか」とときどき不安になります。 この本が面白いのは、「長期思考をしよう」と説教してくるタイプではなく、そもそも私たちの思考がなぜ“短期”へ引っ張られてしまうのか、その背景を歴史や文化の視点から丁寧にひもといてくれるところです。たとえば、四半期の数字に追われる社会の仕組みや、デジタルの速さが私たちの“時間感覚”そのものを変えていること。あるいは、祖先が種を食べずに次の季節へ残した瞬間から、人間が長期を考える力を育ててきたこと。こうした話を読むと、自分の短期思考は怠慢ではなく、環境に影響されている面が大きいとわかって少し気が楽になります。 その上で、本は「よき祖先になれるか」という問いを投げかけてきます。大げさな理想論ではなくて、今日の選択が未来の誰かにどうつながるかを、ほんの少しだけ想像する回路を取り戻そう、というくらいの温度感です。読み終わったあと、急に人生が変わるわけではないけれど、買い物のスピードを一拍置くとか、仕事の判断を半年先まで伸ばして考えてみるとか、そんな小さな変化が自然と起きてきます。 短期思考に疲れている人や、「このままじゃ視野が縮んでいく気がする」と感じている人にしっくりくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
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