
入門オルタナティブデータ---経済の今を読み解く
渡辺 努 and 辻中 仁士
この本について
経済データを扱っていると、「この数字、本当にいまの状況を映しているのかな…」みたいな違和感がふと出てきませんか。公表までのタイムラグや、そもそもどう集められたデータなのか見えにくいまま判断を迫られるあの心もとない感じ。僕も仕事で数字を追っていると、そこがいつも引っかかっていました。 この本が面白いのは、「データの即時性」と「偏りとどう付き合うか」に現実的な視点で踏み込んでいるところです。東大日次物価指数の話はまさに象徴的で、公的統計が一カ月遅れでしか出ないなら、POSデータから毎日つくってしまおう、という挑戦がどう実現されたのかがよくわかります。同時に、オルタナティブデータには必ず偏りがある前提で、それを補正したり、複数データを組み合わせて使ったり、場合によっては「使わない」という判断も含めて、どう向き合うべきかが丁寧に語られています。特性変化やノイズとどう折り合いをつけるか、現場で迷っている人ほど腑に落ちるはずです。 結局のところ、完璧なデータなんて存在しない。でも、どんな癖を持ったデータなのかを知っていれば、判断の精度は上がるし、不安も減る。この本は、その「癖の棚卸し」を一緒にやってくれる一冊でした。数字を扱う仕事をしていて、データとの距離感に悩んでいる人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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