
リスクを生きる (朝日新書)
内田 樹 and 岩田 健太郎
この本について
仕事でも人生でも、「なんでこんなに組織は動かないんだろう」とか「正しいことを言う人ほど損をしてないか?」みたいな感覚、けっこうみんな抱えていると思います。自分の判断で動きたいのに、指示待ちの空気に押しつぶされるような場面も多いですよね。あの違和感の正体を言語化してくれる本ってなかなかないのですが、『リスクを生きる』はそこをかなり丁寧に掘ってくれます。 この本の面白いところは、「個人の問題」に見えるものを、社会や組織の構造から説明してくれる点です。たとえば、日本の多くの組織が停滞する理由を「管理部門が肥大化して、現場の裁量が失われているから」と言い切る一方で、「じゃあ最適な組織って何か?」をちゃんと現実的に語っている。さらに、誰もやっていないことに手を出す人が評価されにくい空気や、「忠誠心でアピールする人ほど出世する」という構造がどうして生まれるのかも、具体的な視点で示してくれます。読んでいるうちに、自分の周りで起きていることの地図が描ける感覚がありました。 特に刺さったのは、「知性は個人の能力ではなく、場を明るくして集団全体のアウトプットを高める力」という話。これは働き方の基準を大きく変えてくれるし、自分のふるまいを見直すきっかけにもなります。専門家とは「わかっている領域の境界が見えている人」という定義も、肩の力が抜けるというか、知の扱い方が少し変わります。 今の職場や社会にモヤモヤしている人、自分の感覚が間違っていないか確かめたい人に静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
読書の順序
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