
聖書 新共同訳 旧約聖書
日本聖書協会 and 共同訳聖書実行委員会
日本聖書協会
この本について
最近、人の「悪さ」や不条理を前にしたとき、どう折り合いをつければいいのか分からなくなることが多いです。自分も清く生きたいと思いつつ、現実では怒りや妬みや無力感に振り回される。その揺れをどう扱えばいいのか、ずっと迷っていました。 旧約聖書を読み返していて思ったのは、ここに描かれているのは完璧な人間ではなく、むしろ弱さだらけの人たちだということです。カインが怒りに支配されかけたり、ノアでさえ「人は幼いころから悪い」と言われていたり、アブラハムが笑いながら半信半疑で神の言葉を聞いていたり。読者の方が保存していた抜粋も、多くが「人の未熟さ」と「それでも続いていく物語」に関わる部分でした。自分もまさにそこに救われた気がします。 効き方として大きかったのは二つで、ひとつは“弱さを前提にしても物語は進む”という視点をもらえること。例えばバベルの塔の場面は、人間の思惑が混乱しても、世界が終わるわけではないという感覚をくれました。もうひとつは、“自分の行動の小ささも流れの中に位置づく”ということ。アブラハムの迷いや恐れがそのまま物語の一部であるように、失敗や揺れがすぐ否定されない世界の見方を与えてくれます。 「今の自分の弱さを、全部なかったことにしなくていい読み物を探している人」には、旧約聖書は意外としっくりくると思います。誰かを無理に励ますわけでもなく、ただ弱いまま歩いている人間たちと並走できる本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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