
冬虫夏草(新潮文庫)
梨木香歩
新潮社 / 2013-10-30
累計読者数3
平均ハイライト数 7.3件/人
推定読了時間 約4時間37分
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 36%
この本について
ときどき、自分の暮らしが頭の中の考えごとでいっぱいになって、外の景色や匂いを受け取る余裕がなくなることがあります。忙しいわけじゃないのに、なぜか呼吸だけが浅くなるような、あの感じです。そんなときに『冬虫夏草』を読むと、思考よりも先に、風景や気配のほうがじわっと胸に入り込んできて、勝手に肩の力が抜けていきました。 読者の方が保存していた抜粋を見ていると、澄んだ空の描写や、クスノキと樟脳の匂いを嗅ぎ分ける瞬間、さらにはサナギタケや冬虫夏草のしくみまで、細部を立ち止まって眺めるような箇所が多いんですよね。物語そのものより、世界の手触りを拾い直すような読み方をされている気がして、そこにこの本の良さがそのまま出ています。自然を神秘化しすぎず、でも雑にも扱わず、ただ「そうなっている」という事実の前に立たせてくれる。そんな距離感が、日常で凝り固まった視点をゆっくりほどいてくれました。 物語としては静かで派手さはありませんが、ふとした匂いの記憶がよみがえったり、虫や菌の仕組みを知って世界の裏側を見た気がしたり、読んだ後に散歩したくなるような変化が確かに残ります。感情を揺さぶるというより、感覚を磨き直してくれるタイプの一冊です。 こんな人に刺さると思います。考えすぎて疲れたとき、景色をもう一度ちゃんと見たいと思う人。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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出版社による紹介
虫に取りつき、虫を殺し、虫から生える怪しいキノコ―。古来、中国では漢方薬として用いられ、万病に効くとされる不思議なキノコ―。暗い林の日陰を好み、ひっそり生きる謎のキノコ―。さて、冬虫夏草とは何者か???鹿児島県屋久島の調査を中心に、日本の冬虫夏草約50種を紹介。謎につつまれた不思議なキノコの正体を徹底究明。
読んだ内容を、もう忘れない。
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