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春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

春になったら莓を摘みに(新潮文庫)

梨木香歩

累計読者数5
平均ハイライト数 8件/人
推定読了時間 約5時間5分
star総合評価 52/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 68%

この本について

人と人の距離感が分からなくなるときってありますよね。分かり合いたいのに、どうしても越えられない壁があったり、そもそも自分の中の基準すら曖昧で、何を大事にしていいのか分からなくなったり。がんばれば届くのか、もう引いたほうがいいのか、その見極めがつかずにぐるぐるしてしまうあの感じです。 『春になったら莓を摘みに』は、その「ぐるぐる」を乱暴に断ち切るのではなく、少しだけ角度を変えて見せてくれます。相手を「理解しようと努力する」のではなく、「理解はできないけれど存在を受け容れる」という、ごまかしのない距離感。自分の中にある矛盾──信じる力と疑う力の両方を抱えたまま立つ、という現実的な姿勢。そして、うまくいかない関係の先に、それでも続いていく日々の風景があるということ。物語の具体的な場面が、そのまま読んでいる自分の生活に接続してくるようでした。 特に、誰かと深く関わりたいのに、どこかで身構えてしまう人にはしみる本だと思います。完璧に分かり合えないまま一緒に過ごすこと。その不完全さを、ただの妥協ではなく「人との関係のかたち」として受け取れるようになるまでのプロセスが、とても丁寧に描かれています。 迷いながら人と関わっている人ほど、静かに効いてくる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「理解はできないが、受け容れる」それがウェスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウェスト夫人の強靭な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける―物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。
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