
ほんとうのことは誰にも言いたくない
ヤマシタトモコ、山本文子
フィルムアート社 / 20240626
累計読者数3
平均ハイライト数 4件/人
star総合評価 45/100
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この本について
人と距離をどう取ればいいのか、近づきすぎてしんどくなったり、逆に離れすぎて何も伝わらなかったり。日常の中でそういうモヤモヤを抱えることってありますよね。相手を大事に思うほど難しくなるし、自分の感情をどう取り扱えばいいのか迷う瞬間も多いと思います。 『ほんとうのことは誰にも言いたくない』を読んでいると、その迷いにいきなり正解をくれるわけではないんですが、「こういう距離の選び方もあるんだ」と視点を少しずらしてくれる感覚がありました。例えば、笠町が槙生に対して見せる、執着でも諦めでもない“揺れない距離”の置き方。手に入らないものを手に入らないまま大事にするという在り方が、変に前向きでも後ろ向きでもなく、妙に現実的なんですよね。また、言葉にしづらい気持ちに向き合う場面が多くて、拙くても言葉にしてみようとする朝の姿には、自分の生活にも持ち帰れる示唆がありました。 特に「わかり合えなくても関係は続くし、距離は変えていい」と思えないままでいる人には、静かに効いてくる本だと思います。人間関係を“うまくやる”ことに疲れてしまったとき、少し呼吸を戻してくれる物語です。
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出版社による紹介
わかりあえない。それでも
『くいもの処 明楽』から『違国日記』まで、
ヤマシタトモコ全編語り下ろしインタビュー本
全コミックスを作者自身が振り返るのみならず、幼少期や学生時代、同人活動、デビュー前夜など漫画家へと至る歩みを述懐
変わらないもの/変わっていくもの、社会に向ける眼差し、物語の核にある思い……20時間以上にわたる取材から浮かび上がるヤマシタトモコの現在――
BL誌、青年誌、女性誌とさまざまな媒体で、多種多様な人たちの「名前のつけられない」関係を描いてきた漫画家ヤマシタトモコ。全編語り下ろしとなる本書は、幼い頃からフィクションに惹かれてきた彼女が、自身の全コミックスについて語るのみならず、幼少期や学生時代、同人活動時代、雑誌への投稿を行っていた時期など、漫画家へと至る歩みも振り返る内容となっています。
20時間以上におよぶ取材では、代表作である『違国日記』や『さんかく窓の外側は夜』はもちろん、商業デビュー作の『くいもの処 明楽』、『このマンガがすごい!2011』オンナ編で1位、2位をそれぞれ獲得した『HER』『ドントクライ、ガール♥』、年に5冊も刊行していたBLコミックスなどを現在の視点から述懐する中で、社会に向ける眼差しや物語の核にある思いなど、作り手としての姿勢が立ち上がってきます。また、影響を受けた作家や作品、作品の発想源となった音楽、そして『違国日記』が完結したあとのことなども述べられています。
インタビュアーはBLに造詣が深く、これまでにヤマシタへの取材や登壇イベントの司会を多数行っているライターの山本文子が担当。デビュー単行本刊行時から取材を行ってきた山本の質問によって、ヤマシタの軌跡が生き生きと浮かび上がってきます。
装画はヤマシタの描き下ろし。デザインは『違国日記』でもタッグを組んでいる川名潤が担当しています。
目次
プロローグ 岸に残る者と夜明けに向かう人――『違国日記』
第1章 家庭内新聞からオリジナル漫画へ――幼少期/小学校時代/中学・高校時代/大学時代
第2章 閉じない世界としてのBL――デビュー前夜/『くいもの処 明楽』/『タッチ・ミー・アゲイン』/『恋の心に黒い羽』/『イルミナシオン』
第3章 BLからこぼれ落ちるもの――『恋の話がしたい』/『薔薇の瞳は爆弾』/『ジュテーム、カフェ・ノワール』/『YES IT’S ME』
第4章 転んでも立ち上がる少女たち――『MO’SOME STING』/『ドントクライ、ガール♥』/『BUTTER!!!』/『サタニック・スイート』/『ひばりの朝』/『運命の女の子』
第5章 女性を取り囲むもの――『Love, Hate, Love.』/『HER』/『ミラーボール・フラッシング・マジック』/『花井沢町公民館便り』/『WHITE NOTE PAD』
第6章 エッセイ漫画の難しさとBLでの挑戦――『裸で外には出られない』/『くうのむところにたべるとこ』/『ストロボスコープ』/『スニップ,スネイル&ドッグテイル』
第7章 恋愛的な愛に限定されないBL――『さんかく窓の外側は夜』
第8章 規範を超えた連帯のあり方――『違国日記』
エピローグ 変わらないテーマとぼーっとする才能――これまでのこと/これからのこと
あとがき
コミックス解題
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