
枢密院 近代日本の「奥の院」 (講談社現代新書)
望月雅士
講談社 / 2022-06-15
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推定読了時間 約4時間18分
star総合評価 51/100
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この本について
政治の本を読んでいると、「結局これは“人”の問題なのか、“制度”の問題なのか」がごちゃっとしてきて、考えるほどわからなくなることがあります。歴史を振り返っても、強引なリーダーが全部動かしたように見える場面と、制度そのものが歪みを生んでいる場面が入り混じっていて、自分の判断軸がぐらつくというか、掴みどころがなくなるんですよね。 この本は、まさにそのモヤモヤに静かに効いてきました。枢密院という、明治以降の日本政治の“奥の院”が何をしていたのかを具体的に追うことで、「制度がどこまで力を持ち、どんなかたちで政治をねじ曲げたり支えたりしたのか」が見えてきます。人ではなく制度が問題だ、と美濃部が言い切った背景や、天皇の意向と法秩序のあいだに生じる矛盾を、実際の上奏・詔勅・閣議の動きとセットで描くので、抽象論ではなく、現場の空気ごと理解できるのがありがたいところでした。読んでいると、「制度をどう設計するかで、後からどれだけ現場が苦しむか」が手触りをもって迫ってきます。 とくに「最終局面で天皇が政治争点になるのを避けるために、枢密院がどう使われたのか」という部分は、今の組織でも普通に起きている“責任のゆらぎ”と重なりました。誰に決めさせるのか、その前段でどこまで熟慮できる場をつくるのかは、時代が変わっても本質は変わらないんだなと感じます。制度と人のせめぎ合いを冷静に見たい人には、かなり刺さるはずです。
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出版社による紹介
「仮普請」の近代国家=明治日本。未熟な政党政治の混乱から「国体」を護るための「保険」として、枢密院は創られた。しかし「制度」は、制度独自の論理により歩みはじめる。そしてついにはようやく成熟し始めた政党政治と対立し、政治争点化する。伊藤博文による創設から第二次世界大戦敗北、新憲法成立による消滅まで、その全課程を描く、新書初の試み。
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