
心の境界線 穏やかな自己主張で自分らしく生きるトレーニング
ネドラ・グローバー・タワブ and 山内めぐみ
この本について
人からの頼みごとを断れなかったり、相手の顔色を見てばかりで後からどっと疲れたり。頭では「無理って言えばいいだけ」と分かっているのに、いざその場に立つと言葉が詰まる……そんな感覚、僕もずっと抜け出せませんでした。 この本がよかったのは、「境界線を引けない理由」を責めずに、まず自分の反応や体のサインを見にいくところから始めてくれる点です。頼みを引き受けた瞬間に胸がざわつく感じや、後でくすぶった思いが残るあの感覚を、ちゃんと“判断材料”として扱っていいんだと気づかせてくれました。さらに、境界線を言葉にするだけでは足りなくて、破られたときにどう行動するかまで丁寧に示してくれます。ここが、現実の人間関係に落とし込むうえで一番効きました。 もうひとつ刺さったのは、「相手がどう反応するかはコントロールできない」という視点です。反発されたり、正当化されたり、音信不通になったりといった“よくある反応”が具体的に書かれていて、無駄に最悪のシナリオばかり想像していた自分が少し楽になりました。相手の気持ちを全部読むのではなく、自分の限度を明確にすることに集中していいんだと分かります。 人に振り回されやすい、あるいは「自分を大切にする」の意味が分からないまま大人になってしまった気がする、そんな人には特にしっくりくる本だと思います。自分の境界線をただ守るためではなく、心地よい関係をつくり直すための実践書として、じわじわ効いてきました。
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