
ANA 苦闘の1000日
高尾 泰朗
日経BP / 2022-09-24
この本について
仕事で大きな判断を迫られたとき、「どこまでが自分の意思で、どこからが環境に押されているだけなのか」がよく分からなくなることがあります。正しい選択をしたいのに、数字と現場と理想の折り合いがつかないあの感じ。迷い続ける時間の方が長いんですよね。 『ANA 苦闘の1000日』を読んでいて強く思ったのは、巨大組織の経営陣でさえ、同じように揺れながら判断しているという事実です。ブランドをどう守るか、どこまで削っていいのか、消費者の期待値をどう扱うのか。どれも「正解らしい正解」がなくて、当事者は毎回ギリギリまで悩んでいる。そのリアルが淡々と描かれていて、読んでいるこちらの思考も少し整理されていきます。 特に刺さったのは三つで、ひとつはブランドの切り分けを間違えると信頼を一気に失うという視点。自分の仕事でも、便利さや効率を優先した結果、相手の期待を裏切ってしまう場面があるなとハッとしました。次に、現場の声を拾い続ける若手の姿勢。固定観念がないからこそ見える改善点があるという話は、自分が年々見えなくなっているものを思い出させてくれます。そして、最後に「楽観と悲観を同居させる」という経営者の苦しさ。これを読んで、迷っていること自体が前に進むプロセスなのだと少しだけ気持ちが軽くなりました。 組織の判断にモヤモヤしながら仕事をしている人や、自分の役割の輪郭をつかみたい人にはじんわり効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
読書の順序
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