
環境覇権 欧州発、激化するパワーゲーム (日本経済新聞出版)
竹内康雄
日経BP / 2023-04-25
この本について
環境やエネルギーのニュースを見ていて、「結局どこで何が動いているのか分からないまま仕事の判断をしている気がする…」とモヤッとすることが多いんですよね。特にグローバルの規制となると距離があるぶん、重要そうなのに実感がつかみにくい。自分もずっとその感覚を引きずっていました。 この本が助かったのは、EUの環境政策を“理念”ではなく“パワーゲーム”として描いているところです。例えば、国境炭素税(CBAM)がなぜ導入され、どんなロジックで各国を巻き込んでいくのかが、制度の細かい説明ではなく、EUの思惑ごと立体的に理解できる。太陽光パネルの供給網で中国が圧倒的シェアを握っている現実や、若い世代を中心に広がる気候危機への意識が政策にどう影響していくのかなど、ニュースでは点でしか拾えない情報が線としてつながっていきます。環境問題を「善い行い」ではなく「各国がなぜそう動くのか」という視点で捉えられるようになるのは、仕事でも判断の軸が変わる実感がありました。 特に、環境規制が世界基準に転じていく「ブリュッセル効果」や、供給網をめぐる自立戦略の話は、個々の企業の動きの裏に何が潜んでいるのかを考える助けになります。環境分野を専門にしていなくても、国際情勢やビジネスの方向性を読むうえで“背景の地図”を持てるようになる本でした。 ニュースを追うだけでは全体像が見えずに不安を抱えている人に、特に刺さる内容だと思います。
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多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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