
能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ (ブルーバックス)
安藤寿康
この本について
「自分の能力って、生まれつきなのか努力なのか…どこまで頑張れば変わるんだろう」みたいなモヤモヤ、僕もずっと消えませんでした。できないところにぶつかると、遺伝だから仕方ないと言い訳したくなるし、逆に努力で全部ひっくり返せると言い聞かせるのも、どこか無理があって。そんなときに読んだのがこの本でした。 この本が良かったのは、「遺伝か努力か」という問いそのものをいったん脇に置いてくれたことです。生まれつき=固定ではないし、努力=万能でもない。遺伝は“事前条件”であって、そこに環境や学習が折り重なり、しかも人ごとに全く違う組み合わせで作用していく。その説明が、難しい話を避けずに、でも現実の行動や感情の揺れ方とつなげて語られているので、妙に腑に落ちるんです。双子研究の話も「決まっている」というより、“揺らぎの幅”をどう理解するかという視点で語られていて、決定論に引きずられそうになる自分の思考クセにも気づかされました。 特に僕に刺さったのは、「環境もまた遺伝の影響を受ける」という部分でした。結局、人の行動が環境をつくるわけで、能力を伸ばす環境づくりも“自分の表現型の一部”なんですよね。この視点に触れてから、「努力が足りないのか」「才能がないのか」という二択ではなく、自分はどの条件なら動きやすいのかを地道に探すようになりました。 自分の能力の「変わるところ」「変わりにくいところ」をもう少しフラットに捉えたい人に向いている本です。僕みたいに、生まれつきと努力の境目でずっと立ち止まってきた人には、静かに効いてくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





