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謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年 (中公新書)

謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年 (中公新書)

榎村寛之

累計読者数6
平均ハイライト数 79.7件/人
star総合評価 63/100
start序盤集中型
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この本について

平安前期って、学校で習ったはずなのに、いざ大人になって振り返ると「結局どういう時代だったんだっけ…?」とモヤモヤしがちです。制度の名前や人物は知っているのに、全体のつながりが見えない。ましてや、当時の人たちがどんな現実に向き合っていたのかとなると、ますます霧がかかるような感じがします。 この本は、その霧をゆっくり晴らしてくれる一冊でした。たとえば、桓武天皇が渡来系の技術を政治の根幹に据えた“自己演出”の話を読むと、権力者の意思決定がどれほど具体的な技術や人材と結びついていたかが腑に落ちます。また、受領や女官といった職掌が時代の変化でどう形骸化したのか、制度だけではなく「そこで働く人」がどう動き、どう消えていくのかが描かれていて、千年以上前の話なのに妙にリアルです。そして、歴史書の編纂が“改革より安定”へと傾いていく場面に触れると、時代の空気が変わる瞬間がこんなに人間くさく立ち現れるのかと感じます。 ざっくり歴史の流れを追いたい人より、制度の裏で人がどう悩み、どう立ち回っていたのかを知りたい人に特に刺さると思います。自分の仕事や組織の変化に振り回されている時ほど、こういう「過去の人たちの手触り」がある歴史書は効きます。

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