
嘘だらけの日本中世史 (扶桑社BOOKS新書)
倉山 満
扶桑社 / 2024-11-01
この本について
歴史を勉強していると、「いま私が知っている中世って、どれくらい本当なんだろう…」と立ち止まる瞬間がけっこうあります。教科書で読んだ構図と、実際の政治の動きや人間関係がどうつながっているのかがよく見えなくて、頭の中でモヤモヤが積み重なっていく感じです。僕もずっとその沼にいました。 この本は、そういうモヤモヤをかなり現実的にほぐしてくれます。たとえば「天皇は政治の当事者ではなかった」という一文の奥にある、承認者としての役割の一貫性。足利義教や後花園天皇のように、教科書だと結構スルーされがちな人物が、なぜ秩序の再構築を担えたのか。その背景を追っていくと、“権威と実務がどう分担されていたのか”という視点が一気にクリアになります。また、保元の乱のような転換点が、理念ではなく「武力で決着をつけてしまった」という行為そのものに意味があると知ると、歴史が急に現在の政治の話にもつながって見えてきます。 読みながら感じたのは、「自分が思い描いていた中世像って、意外と思い込みで固まっていたんだな」ということでした。制度や事件の説明よりも、人や家が実際にどんなふうに迷い、保身し、均衡を取ろうとしたのかが描かれているので、歴史が“物語”ではなく“選択の積み重ね”として立ち上がってきます。今の仕事や組織での判断にも、不思議と置き換えやすいところがあります。 こんな人に刺さると思います。教科書の知識はあるのに、「中世のリアルな力学」がどうもつかめないまま止まっている人。歴史を知るというより、歴史の“読めなかった部分”を読み直したいときにちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
読書の順序
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