
成長を支援するということ――深いつながりを築き、「ありたい姿」から変化を生むコーチングの原則
リチャード・ボヤツィス, メルヴィン・L・スミス, エレン・ヴァン・オーステン, 和田圭介, 内山遼子, and 高山真由美
英治出版 / 2024-04-24
この本について
仕事でも家庭でも、人の成長に関わる場面が増えるほど、「どう支えればいいんだろう…」と立ち止まることがあります。助けたい気持ちはあるのに、アドバイスすると相手が固まってしまったり、改善点ばかりに目がいって関係がぎこちなくなったり。自分自身の方向性も曖昧なまま、人のサポートに向き合うのは正直しんどいですよね。 この本が面白いのは、テクニックよりも「関係性の質」をずっと大事にしているところです。相手の内側から湧く願望やビジョンに火がつくとき、人は初めて自分で変わろうとする。そのためには、支援する側が相手の強みを見きわめ、希望を喚起し、思いやりをもって関わることが欠かせない、と言います。いわゆる誘導型のコーチングが相手のストレスを高めてしまう理由も、脳科学の観点を交えて説明されていて、腑に落ちやすいです。 個人的に特に響いたのは、「自分の理想像と現実の姿を一緒に見にいく」という姿勢。できていないところを追及するのではなく、到達できている部分とギャップを冷静に並べるだけで、相手の表情が変わる瞬間があります。強みを軸にした関わり方は、こちらの肩の力も抜けるし、相手も前に進みやすい。結局のところ、持続する変化は、一人ではなく“共鳴する関係”の中でしか起きないんだなと実感しました。 「人をサポートする役割にあるけれど、自分の関わり方に少し迷いがある人」に静かに刺さる本です。
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