
リーマンの牢獄
齋藤栄功 and 阿部重夫
講談社 / 2024-05-16
この本について
仕事で理不尽な要求を受けたときや、「なぜこういう仕組みになっているんだろう」と首をひねりながらも、自分だけが知らないルールの中で動かされているような感覚になることがありませんか。僕も金融まわりのニュースを見ては、表に出ない力関係や判断基準の存在をうすうす感じつつ、確信までは持てないままモヤモヤしていました。 『リーマンの牢獄』は、その裏側で何が起きていたのかを、当事者の視点から淡々と描いています。投資家に求められる“都合のいい商品”、企業や官僚の力学で決まっていく資金の流れ、そして裁判の場で扱われる「真実」の基準――こういう話はどうしても抽象的になりがちですが、この本は細部のやり取りまで記されているので、読み手の自分の中で風景が立ち上がります。特に、「どうしてこんな理不尽が成立してしまうのか」と疑問を抱いてきた人ほど、パズルのピースがはまるような感覚があると思います。 同時に、著者が検事に素朴な疑問を聞かれた時に覚えた安堵や、立場を超えて人として向き合われたときの救われ方が描かれていて、これは自分の仕事にも直結しました。権威や肩書ではなく、目の前の相手として扱われたとき、人はようやく正直に話せる。そんな当たり前の事実を、金融や裁判という大きな舞台を通じて思い出させてくれます。 複雑な構造の中で働いている気がして、でも自分の目で確かめる材料がなかった人に刺さる本だと思います。僕自身、この本を読んでからは、表で見えている話と“本当に動いている論理”を分けて考える癖がつき、無駄に落ち込む回数が減りました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
読書の順序
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