
人生の壁(新潮新書) 「壁」シリーズ
養老孟司
新潮社 / 2024-11-18
この本について
仕事って、本当に価値のあることをしている人ほど報われないんじゃないか。努力しても結果がついてこないのは、自分のやり方が悪いのか。そんなモヤモヤを抱えたまま日々を回していると、気づけば「ちゃんとした自分」を作ろうと無駄に力んでしまったりします。僕も同じで、成果や役割に自分の重みを求めすぎてしんどくなることがよくあります。 養老孟司さんの『人生の壁』は、この「力み」をスッと抜いてくれる本でした。といっても人生が劇的に変わる派手なメッセージではなく、むしろ反対で、視点をずらすだけでこんなに呼吸がしやすくなるのかと思えるような一冊です。たとえば「とらわれない、偏らない、こだわらない」という姿勢は、問題を力技で突破するよりも、いったん距離を置くことで状況が勝手にほどけていく感覚をくれます。また、努力や個性を神棚に上げがちな今の空気に対して、「そもそもそんなに中身を詰めなくてもいい」という視点は、自己否定ではなく肩の力が抜ける方向に働きます。 さらに印象的だったのは、人とのつながりや面倒ごとを避けないほうが、自分の存在に自然な重みが宿るという話です。コミュニティや頼まれごとを引き受けることって、普段はただの負担に見えますが、実はそれが自分を支えてくれているという感覚にはかなり救われました。 「頑張っているのにどこか生きづらい」「自分の軸がよく分からない」という人には特に刺さると思います。理屈よりも、日々の息苦しさを少し軽くしたい人にこそ静かに効く本です。
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ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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