
GOAT
西加奈子, 小川哲, 尾崎世界観, 市川沙央, and チョン・セラン
John Wiley & Sons / 2009-07-21
この本について
最近、「愛って結局なんなんだろう」とか「家族に向ける感情ってどこまで自分の意思なんだろう」とか、考えれば考えるほど霧が濃くなる瞬間がありませんか。正しさとか努力とか、きれいごとで片付けられない場面にぶつかったとき、自分の中の基準が急に信用できなくなるあの感じです。 『GOAT』の抜粋を並べて読むと、そういう“引っかかり”にすごく敏感な人たちが、この本を保存しているんだろうなと思います。愛は分解できるのか、家族は選べないのにどうしてあんなに難しいのか、良き行いと愛は本当に比例するのか。こういう問いを、精神論に逃げず、でも突き放しすぎずに扱ってくれるところが、この本の独特な効き方です。 個人的に助かったのは、第一に「愛は必ずしもきれいではないし、努力の成果でもない」という視点をもらえたこと。第二に、「誰にでも当てはまる正解がある」という前提自体を疑っていいと思わせてくれたこと。そしてもうひとつ、家族でも恋人でも、自分の感情を“構造”として見る余裕をくれたことです。感情に巻き込まれやすいタイプには、ここが本当に大きい。 「愛にまつわるモヤモヤを、一度ちゃんと分解してみたい人」に刺さる本です。読んでスッキリするというより、心の奥の絡まった糸に静かに手を添えられるような読後感でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの79%が集中しています。
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