
反出生主義入門:「生まれてこないほうが良かった」とはどういうことか
小島 和男
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この本について
子どもを産む・産まないという話題って、誰かの正義が急に持ち込まれて、気づけば自分の感覚が置き去りになることがありますよね。未来の人の幸福なんて本当は想像できないし、自分自身の人生の評価だって揺れ続ける。そんなときに「そもそも、私たちは何を前提に話しているんだろう?」という疑問が残るままになることが多いと思います。 この本は、そのモヤモヤの根っこをゆっくり解きほぐしてくれます。たとえば「まだ存在していない人を道徳的に扱うってどういうことか」という問いを真正面から扱ったり、「幸福か不幸かを数値化できないなら、どこに基準を置けばいいのか」といった議論を丁寧に追いかけたりします。中絶や出生をめぐる倫理も、断定ではなく、複数の立場がどう成り立っているのかを一度地面に置いて説明してくれるので、感情論から少し距離を置いて考えられるのがありがたいところです。 読んでみると、反出生主義そのものを肯定するかどうか以上に、「自分が未来に対して何をコントロールできると思い込んでいたのか」が静かに揺さぶられます。未来の世代に責任があると言い切ることも、逆に何も責任がないと言い切ることも、そんなに単純じゃないんだと気づかされました。 自分の判断に少しでも誠実でいたい人、そして「産む/産まない」の議論に違和感を抱いてきた人に刺さる一冊です。
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