
50歳から何を学ぶか 賢く生きる「教養の身につけ方」 (PHPビジネス新書)
池上 彰
この本について
年齢を重ねるほど、「今さら学び直すって何をすればいいんだろう」とか、「知識は増えているはずなのに、仕事や生活でつながらない」というモヤモヤが増えてくる気がします。自分も同じで、勉強しているつもりなのに足元がスカスカに感じる瞬間がよくあります。 この本が面白いのは、「教養=知識量」ではなく、「知識をどう運用するか」という視点を何度も思い出させてくれるところです。バラバラの学びが線になり、面になり、急に立体的に見えてくる感覚。具体的な歴史の話や実例が多いので、抽象論ではなく、日常や仕事の場面にじわっと効いてきます。たとえば、MITの“本を持つ人とハンマーを持つ人”の校章の話は、理論と実践のどちらかに偏りがちな自分の姿勢を静かに整えてくれるし、「すぐ役に立たないものほど後で効いてくる」という小泉信三の言葉は、焦りやすい日々の判断にブレーキをかけてくれます。 さらに、「品格や佇まいはある時点で意識することで身につく」という話も、年齢を重ねる私たちには刺さりやすい部分だと思います。急に変わるわけではないけれど、気づいた人から少しずつ整っていく。その現実的な距離感が心地よいです。 「学び直したいけれど、何から手をつければいいか迷う人」「知識を増やしても役立っている実感が持てない人」には穏やかに効く本だと思います。自分も読みながら、積読が増えていくのをあまり悪いことと思わなくなりました。読んだものがいつ役立つかは、自分にも選べないからこそ面白いんだよな、と。
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