
AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか? (ちくまQブックス)
今井むつみ
筑摩書房 / 20241107
累計読者数3
平均ハイライト数 16.7件/人
star総合評価 65/100
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この本について
最近、気づけば「考える前にAIに聞いてしまう」ことが増えたな…と感じていました。間違えるのも面倒だし、正解を早く手に入れたほうが効率的に思えてしまう。でもその一方で、答えだけ受け取っても、自分の中に何も残っていないような空虚さもあって。そんなモヤモヤに向き合うきっかけになったのが、この本でした。 特に刺さったのは、人間は誤った推論をしながら、それを自分で修正することで学びを深めてきたというくだりです。失敗したときのほうが記憶に残るし、直観が磨かれるという話は、日々の仕事の中でも実感があります。また、AIの文章が流暢だからといって正しいとは限らず、そもそも「だまされやすいのが人間」という冷静な指摘も、少し身が引き締まりました。さらに、抽象的な概念を身体の感覚や経験に結びつけることで、ようやく意味が自分のものになるという説明は、うどん職人の例もあって妙に腹落ちしました。 効率よく情報を集めるだけでは物足りない人、自分の中で「意味がつながる感覚」を取り戻したい人にはとても向いていると思います。AI時代をどう生きるかという大きな話にも見えますが、実際にはもっと小さな、自分の思考の手触りをどう守るかの本でした。
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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
学校で急速に広がる生成AIの使用。
なぜ“ChatGPTにおまかせ”ではダメなのか?
カギは、人間がことばの学習で身につける「推論の力」が失われることにあった。
すべての教育関係者・保護者必読の一冊。
===
「思考力」というと、なんだか難しいことのように感じられるかもしれない。しかし、私たちは今この瞬間に文章を読みながら、思考力を駆使している。そしてその時に頭の中で働いているのは、「推論の力」だ。この力は人間だけにあり、AIにはないものだ。その違いと謎を解き明かしていく。
===
例えば「探偵マンガ」を読んでいるとき、みなさんは、
「黒幕は誰だれだろう?」
「犯人はやはり……」
と考えながらストーリーを追っているはずです。これも思考の働きのひとつです。
思考しながら、主人公と一緒に「問題を解決しよう(=犯人を見つけよう)」としているのです。
思考力というのはこのように、問題解決の力につながっていきます。問題解決の力をつけることができれば、社会がどんなに変わっても、未来がどうなるかわからなくても、なんとかその場で対応することができるようになるはずです。(……)
では、思考力を使って問題解決ができる「名探偵」になるために、私たちは何を学べばいいのでしょうか。(……)
正解は、国語です。
「なぜ国語?」
確かにそう思う気持ちもわかります。
数学や英語のほうがなんとなく、問題解決の役に立ちそうですよね。でも、私たちは何を学ぶにも「ことば」を使います。「ことばの力」がなくては、数学の問題もうまく解くことはできません。(……)
本書は「思考力」、つまり「名探偵になるための推論力」を、「ことば」と一緒に考える本です。みなさんが、今この瞬間にも使っている「思考力」ですが、なんだかぼんやりしていて、捉とらえにくいものであるというのも事実です。その「思考力」を「ことば」というフィールドで考えてみようという試みです。
乳幼児がことばを覚えるしくみについて研究をしていると、「ことばがわかること」が、必ずしも当たり前でないということに気づかされます。子どもはことばのしくみを自分で発見し、ことばの意味も自分で発見します。これはみなさんも、意識せずに成し遂とげてきたことです。
いったいどんなふうに、そんなすごいことをしてきたのか。
まずは、みなさんが子ども時代に成し遂げた「母語の習得という偉業」を、思い出すことから始めてみましょう。(「はじめに」より)
目次
第1章 あなたはことばを、どう覚えてきたのか
第2章 問題解決に必要な「推論の力」
第3章 学校で必要になる「ことばの力」
第4章 AI時代の「考える力」
読んだ内容を、もう忘れない。
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