
戦略書としての老子―ビジネスという戦場の攻略法
原田 勉
東洋経済新報社 / 2025-03-26
この本について
仕事で人を動かす立場になると、「どこまで介入すべきか」「手を抜くと崩れそうだし、詰めすぎると息苦しくなるし…」みたいなモヤモヤがつきまといます。自律性を尊重したい一方で、現場を見るとつい手が出る。余白をつくるのが大事だと頭ではわかっていても、実際にやるとなると難しいんですよね。 この本の面白いところは、そうした迷いを「勢い」と「形」という視点で整理してくれるところです。たとえば、部下を細かく管理するべき場面もあるけれど、余白がないと不測の事態には耐えられない、と淡々と書かれている。あるいは、水のように「争わない」「固有の形を持たない」ことが、結果として勝ちにつながるという説明も、現場で起きがちな摩耗感とつながってきます。頑張り続けるより、勢いがつく形を用意してあとは手を離す方がうまく回る、という感覚にも妙に納得させられました。 リーダーは前に出て引っ張るべき、というよくある常識にも距離を置き、「事態が回っているときは部下に従うほうがいい」と言い切る姿勢も、新鮮というより正直ほっとしました。無理に強くあろうとすると長続きしない、という指摘は、日々の疲れに心当たりのある人なら響くはずです。 「頑張り方に迷っている管理職」や「権限委譲に踏み切れない人」には、とくに刺さる本だと思います。無理に変わる必要はなくて、形を整えて勢いに任せるという考え方が、一つの救いになるはずです。
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ハイライト密度
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